丸い白いホールケーキ
ナイフで3等分する
円は“Π“というギリシア文字と縁がある
3.141592 ………循環しない数字が永遠と続く
丸い白いホールケーキをナイフで3等分するとき
丸い白いケーキを構成する数字の素粒子たちが
ナイフに切られまいとして逃げ惑う
私を切らないで
6がすり抜け、5が飛び跳ね、3がずり落ち……
現れるすべての数字がナイフギリギリのところで
ナイフをかわす
ナイフは構わず迷いなく前進する
ある1点を目指して
そしてモーゼの十戒のシーンのごとく
ケーキに道が開けてゆく
こうしてみるとナイフに意志があるというよりか、数字の方に意志があるのだ
丸い白いケーキはきれいに3等分された
丸い白いケーキは3等分される筈べきものだったのだ
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