2012/03/05

Dark and Light

モノクロームの映画“ニーチェの馬”とは全く趣向が違うけど、
どうにもならない現実と対峙するという点で
同じ要素をもつ演劇、“チャンポルギーニとハワイ旅行”というものも10日前ほどに鑑賞したのだった

五反田団&いわき総合高校の高校生が繰り広げる“チャンポルギーニとハワイ旅行”
5年前から毎年、東京で公演されていたのは知らなかった
今回は特別な意味を持つものだと思いながら予約し鑑賞

避けては通れない題材(実際に彼らが前線で直面している)“原発と放射性物質”を扱い、
ユーモアを交えて展開する

“原発と放射性物質”コレが闇や影だとしたら
高校生が展開する個々のストーリーやそれぞれが持つエネルギーは絶対的な光

ハワイ旅行を懸けたフラダンスの大会用のココナッツブラの代わりに茶碗ブラを見立てるくだりや、
なかなかうまくいかない苦い恋愛模様、原発に接近する謎の怪物チャンポルギーニを追い払おうと、
友達のために必死にUFOを呼ぼうとする儀式の風景などは、
可笑っしくて声を出して笑わずにはいられなかった

闇や影が深く覆うように広がり浸透するならば、
高校生たちが放つ光は直線的で、不確実性はあるけれど衝撃をもつ
その光はさらに、闇や影を受け入れつつ、層の異なる別の闇や影(青春特有のほろ苦さともいう?)を内包しつつも、それとは全く関係ない次元のところで干渉せず、キラキラと輝くのだ

現実は切なく、容赦なく非情で、キラキラが眩しいが故に、闇や影が一層濃く見えたりもする
それでも何とかしないと何とかならない...

とにかくキラキラのエネルギーを持った、高校生たちがとてもいとおしく、
そうした彼らがいることを、センチメンタルにではなく、心に留めておきたいと思ったのでした

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